9/24(木)、私を実業団の監督にして頂いた恩人の佐々木さんのお見舞いに行ってきた。
私の著書でも触れているが、佐々木さんは、10年位前から、不治の病にかかり、必死に病と闘っている。
何となくであるが、佐々木さんの顔を観て、パワーをもらって、千葉県成田市で開催される第51回全日本総合選手権に臨もうという気になったのである。
私がこうして、ソフトボール界で頑張れているのは、佐々木さんのおかげである。
佐々木さんが、日立(当時)を離れて、23年が経つが、ことある事に、選手に言い伝えているので、若い選手の殆どは、佐々木さんの存在を直接はしらないが、ルネサスソフトボールチームの歴史はこの人からはじまり、ここが原点であることを選手の皆が知っている。
試合の方は、9/25(金)から1回戦がスタートした。
ルネサスは、順当に1回戦をを勝利し、この日は、同じゾーンの3試合目には、私の教え子の小林監督率いる日立マクセルが登場し、日本体育大学に勝利した。そして、4試合目には、同じく教え子の田上監督率いるペヤングチームが登場し、こちらは、残念ながら、園田学園女子大学に負けてしまった。
結局、翌日(27日)、日立マクセルは、園田学園女子大学に負けてしまい、夢であった私の教え子対決(麗華VS小林)は実現されなかったが、両チーム共に、今大会での反省を生かし、以降に繋げてもらいたいと感じた。
さて、ルネサスの試合はどうなったかというと、26日(土)の2回戦は、パナソニック電工津に20対0で勝利し、同日行われた3回戦では、日立マクセルを下した園田学園女子大学を7対0で下し、順当にベスト4入りし、翌日の準決勝に駒を進めることになった。
今回の大会では、私はベンチ入りすることなく、26日(土)、27日(日)の試合は、あえて、外野席に陣取り、フェンス越し観戦した。
26日は、千葉県の国体チームの監督を行っている教え子の鈴木英都巴さんと、決勝は、同じく教え子のデンソー選手の伊藤良恵さんと解説をしながら、選手の攻め方、ルネサスの麗華監督の采配等を観て、2人ともしっかりした考え方をもって語っており、二人の成長を身近に感じた。
準決勝は、レオパレス21戦で、初回に上野投手の不安定な立ち上がりを攻められ、1点を失うが、2回裏に5番三科選手の同点ホームラン、3回裏は、4番峰選手の逆転タイムリーヒットで、最終的には、2対1で勝利し、決勝戦に駒を進めた。
決勝の相手は、今シーズンより、アメリカナショナルチーム代表ピッチャーのアボットと、ショートのワドリーを補強し、リーグ戦も好調のトヨタ自動車との戦いとなった。
ルネサスとしては、どうアボット投手を攻略するかがポイントで、1点を争う投手戦になるだろうと予想をしていた。また、ワドリーを塁に出さないことがポイントと思っていた。
試合は私の予想とおりの展開となり、日本のエース上野投手とアメリカのエースアボットとの投げ合いとなり、0対0でタイブレーカーに入った。
先行のトヨタ自動車は、ワドリーのセンター前ヒットを外野手が油断する隙に、2塁迄進み、エラーも重なり、8回表に待望の1点が入った。
しかし、その裏、ルネサスの攻撃は、1番バッターの山本選手からという好打順であった。
山本選手が確実にバンドで、セカンドランナーをサードに送り、後半戦に調子が上がってきた2番の大久保選手が2ストライクと追い込まれながら、3バンドをプッシュバンドの内安打で決め、1点を入れ、同点に追いついた。
続く3番の峰選手のレフト前ヒットに対し、1塁ランナーの大久保選手が3塁迄走りセーフとなり、4番の岩渕選手は倒れ、5番の準決勝でホームランを打っている三科選手を歩かせ、2アウト満塁とし、6番乾選手との勝負をトヨタ自動車チームは選択した。
ここでのポイントは、2番大久保選手の好走で1塁3塁というケースをつくったことに勝因が隠されている。仮に、1アウト1・2塁であったならば、5番三科選手との勝負を選択したのではないかと考える。
ここで、2アウトとは言え、満塁となったアボット投手の心理は!?というと、彼女は、コントロールがいいので、当然、押し出しでも負けてしまうので、確実にストライクを投げてくるということが予想できるのである。
従って、バッターとしては、ストライクゾーンだけに的を絞ったスイングが出来るということであり、結果的には、2アウト満塁からの劇的な逆転サヨナラ満塁ホームランで、ルネサスの7連覇が達成されたのである。
ルネサスの強さは!?と尋ねられると、監督、選手たちの勝負に対する執念の強さ、上野投手を中心に全員で戦い、麗華監督の采配を選手は信じ、監督は自信を持って戦っていること、そして、何よりも長きに渡り、実業団ソフトボールの応援団の歴史をリードしているといっても過言ではないルネサス応援団。
更に、その応援団が後援会、父兄、家族、ファンを1つにまとめてのルネサス大応援団を形成してくれていることではないかとおもっている!!
これらの想いが、選手にのりうつり、今回もそうであるが、時と場合に応じて、神がかり的な出来事が発生する…
又、選手も応援団に負けず演出家が多く、北京オリンピックの優勝シーンで上野投手が肩車され、それを支えていた一人の乾選手であったが、今回の優勝では、チーム1重たい乾選手を後輩たちが支え、キャプテンである乾選手を肩車していた。
なんとも、微笑ましい光景である!!
今回の優勝は、チームスポーツは一人でやるのではない、皆それぞれの役割があり、そのひとり一人の力が一丸となって勝利を手にするのだということを改めて感じた。
これぞ、チームスポーツの良さである。
「チームは一人の為に、一人はチームの為に」
「努力は裏切らない」の言葉がピッタリの勝利であった。
本日(翌日)、用事があり、別行動をとることになっていた私は、先輩選手たちへ”おめでとう!”のメッセージメール入れると、「打てなくても、辛抱強く使ってくれた麗華監督に感謝をしたい!」 「今回は結果が出なかったが、次回は頑張ります!」 「優勝をしたけど、反省が沢山あるので、しっかり反省し、国体、リーグ戦と頑張ります!」等々の返信メールを受け、選手の成長ぶりを嬉しく感じた。
そして、最後に、古川トレーナー、柳川・佐々木両マネージャー、事務局スタッフ等、裏方の皆様の力がなければ選手たちは試合に集中できないのであり、日頃の皆の仕事に、改めて、感謝申し上げます。
「いつも、本当にありがとう!」そして、お疲れ様でした!!
追伸
告知!!
今回、外野席で観戦することにより、乾選手のサヨナラ満塁ホームランのボールを私がもっています。
私が持ち続けるか、だれにあげようかは、秋の夜長にゆっくり、ひとり考えます!!
宇津木妙子